2年生の国語の教科書に『盆土産』という小説が載せられています。その中に、田舎で暮らす少年が初めてえびフライを食べた時の描写があります。
「揚げたてのえびフライは、口の中に入れると、しゃおっというような音を立てた。かむと、緻密な肉の中で前歯がかすかにきしむような、いい歯応えで、この辺りでくるみ味といっているえもいわれないうまさが口の中に広がった。」
おいしさへの感動が伝わってきます。特に、食感の「しゃおっ」という表現がすばらしいと思うのです。
さて、私は毎日給食をおいしくいただいていますが、今日は『盆土産』にならって、そのおいしさを言葉で伝えたいと思います。題して、「給食をコンプリメントする」。いつもの2倍以上の時間をかけて、一つ一つをじっくりと味わい、ぴったりくる言葉をひねり出してみました。
・にんじんとじゃこのポン酢 和え 「大人の味」と言えるじゃこの苦みをまろやかに引き立てるポン酢とのハーモニー。
・コーンのかき揚げ コーンと青豆の甘みの後に、かむほどにしみ出てくるコクのあるうまみ。
・大豆と昆布の煮物 王道のコンビは弁当箱の隅っこにいつものぞいていたなあ。
・豚すき煮 薄口の甘みの奥に感じるしょうがのほのかな香り、たけのこのコリコリ感も楽しい。
・小松菜とえのきの和え物 すき煮と交互に食べるのがオツ。すき煮の甘さを出しゃばらせない、粋なしょうゆのからさ。
今、配膳室の前には和食のよさをアピールする掲示物がはられています。
「バランスよく」「多様な」「うま味」を味わえる、今日の給食がまさにそれでした。
ごちそうさまでした。
おいしゅうございました。