校長講話。
私の子供が小さい頃の話です。
子供と二人で商店街を歩いていましたら、陶器を売るお店がありました。
その店先に置いてあったうさぎの形をした陶器を、子供が手に取ったのですが、あやまって落とし、割れてしまいました。
そんなとき、皆さんならどうしますか。
そのとき、私の中の悪い心が、「だれも見ていないし、このまま逃げてしまおうか」とささやきました。
しかし、そのとき、この言葉を思い出したのです。
「天知る 地知る 我知る 子(し)知る」
他人は知るまいと思っても、天地の神々も、自分も、それをするあなたも知っている。悪事は必ずいつかは露見するものだということ。(「後漢書」楊震伝から。後漢の楊震(ようしん)が賄賂 (わいろ) を断るときに言ったという故事から生まれた言葉。)
その後、割ってしまったことを正直に話したら、お店の人は子供に代わりのうさぎの陶器をくれました。